『路上2』無事に全日程、公演終了いたしました!
ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。


稽古場から千秋楽まで、世界が立ち上がっていくのを、
彼らの立つ「路上」がまさに広がっていくのを、
間近で見つめさせていただきましたが、どこかで立ち止まることなく、毎日、毎回、最後まで新しい発見のある舞台でした。


なんというか、安定を最終的に目指すのではなく、つねに揺らぎ続けるというか、
もっともっとクオリティの高い瞬間へと、つねに舞台を更新していく姿勢に、それができる力量に、感動したのです。ものすごく当たり前のことなのですけど、生半可なことじゃできません。


稽古のはじめに川村さんが仰った「演者自身が楽しみながらつくる」舞台に、まさになっていたと思います。
ジャズセッションの基本ですね。川村さんのつむいだコードと、投げかけたリズムに呼応して、勝也さんはじめ演者のみなさんが物語を動かし、観客を巻き込む。だからこそのライブ感だったのでしょうか。


個人的なことを書かせていただくと、僕も自分の劇団で作・演出に携わっておりまして、この頃はもう芝居ってなんだい、アクチュアルってなんだい、リアルってなんじゃらほい、と、頭がぎっちぎちに煮詰まって、新しい風景が見えずにいたのですが、そんな枯れ果てた脳みそに「しゃらくさいっ!」と喝を入れられた思いです。もっと自由なものだぜ、演劇って。
公演中ずっと、そう頭の中にこだましていたのでした。


今回は座組みの人数が少なかったこともあり、だからこそ濃密に、強い絆で結ばれたカンパニーだったように思います。終始、笑いの絶えない現場でした。

劇場入りすると、昨年の『路上』のメンバーも駆けつけ、いっそうにぎやかさも増しましたが、あれから1年経ってまた同じ場所に集まっていることを思うと、なんだか不思議な感じがします。

こうやって繋がっていくんですね。



来年はいったいどんな『路上』が出現するのでしょうか。村上はまたどこにまぎれこんでいくのでしょうか。
僕たちの期待や予感をこえて、きっと彼はもうふらふらと、次の一歩を踏み出しているにちがいません。


終演後、バラシが終わり、別れ行く中、みんな笑顔で、
「また『路上3』で!」

みなさんも、また来年「路上3」でお会いしましょう!


波田野淳紘)