はじめましてハロー! 波田野淳紘と申します。
何者かと申しますとわたくし、劇団820製作所(はにわせいさくしょ)を主宰し、
劇作・演出、出演をする者です。
川村氏が青春のはじまりを過ごした地元・二俣川で以前に行われた、
戯曲ワークショップの出身者です。
このたび、『路上』ワークショップにスタッフとして参加することになりました。
臨場感あふれる現場のレポートを、参加メンバーと共にお届けしたいと思います。
みなさまどうぞよろしくお願いします。


さてさて『路上』ワークショップそのものは7月から本格化するわけなのですが、
今日はそれに先駆けて、小林勝也さんによるウォーミングアップとしてのワークショップがありました。
少し遅れて会場のドアを開けてみると、参加者のみんなが二人一組で背中合わせに座っている。
みんな少し伏し目がちで、ぶつぶつと何かつぶやいています。
「母性」「あたたかさ」「カイロ」「冬」……
そうです、これはどうも、相手の投げてくる言葉に対して、自分が連想する言葉を投げ返すという、
「イメージ」のしりとり。お互いに単語を掛け合って、次々と新しいイメージを拓いていきます。
何だかとても、はたから聞いていて心地いい。
心なしか皆さんも、連想の羽を広げながら、気持ちがほぐれていくようです。

イメージのレッスンは続きます。
指定された都道府県のイメージを、一人が体の動きだけで(!)表し、
見ている人にそれがどこの県なのかあててもらうというもの。
うへい、難しそうだ。そして楽しそうだ。
しかも見ている側の人たちは無理なポーズ(腹筋を底にしたV字のキープ)を保ちながら考えなければならないとの勝也さんの宣告。スタート。


動きだけの表現。たとえばまず田植えをしているところ。お米を食べるところ……、
おお、ぞくぞくと正解者が!
それからたとえばお酒を呑み交わすところ。それから……、先の正解者がこんなのもあるよと言って、
地震、トキ、雪が降る様子……。
気がつけばみんなでわいわい、その県のイメージを探し合っています。

ちなみに答えは、新潟。


演じる俳優は反射神経を求められます。頭に浮かんだイメージを、すぐかたちに変えていかねばならない。
しかも正確に伝えなくちゃいけない。俳優には伝えなきゃいけない責任がある、と勝也さんは言います。
そのためのイメージ。参加者は皆、真剣な眼差しで、大・大先輩の語ることを吸収していきます。

五人一組で一つの絵を作るという共同作業では、部屋のあちらこちらで絶え間なく笑い声がはじけ、
どのグループの発表もとても面白いものでした。この短時間でこれほどのチームワークを発揮できるのですからね、良いワークショップになりそうです!


それぞれが今日学んだことを持ち帰り、また7月に満をじして集結。全力で動き始めます。
紋切り型を承知で言えば、どこよりも熱い夏です。
どうぞどうぞ、お見逃しなきように。